特許権における警告書を送るとき(確認事項・雛形・警告文例・テンプレート)
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 有料職業紹介許可有 |
特許権における警告書を送る場合
(確認事項・雛形・警告文例・テンプレート)
特許権における警告等は、そんなに数が多いわけではないですが、
それなりに起こっております。
私も年に数件、警告を送る又は、警告を受けています。
なお、特許権などが成立する前に送りたい場合は↓がひな形になります。
警告もどき攻撃:特許登録前の警告
1 警告書を送る前の確認事項
警告書を送る場合には、以下のことを気を付けましょう。
① 権利が本当に自分の物か?(当たり前ですが、念のため)
② 権利が今も生きているか?
特許の維持年金は1年おき(登録時は3年まとめて払います)です。
ちゃんと払って更新しているか確認しましょう。
③ 相手がこちらが特許出願するよりも先に実施を始めていないか確認しましょう。
(先使用権という権利が発生することがあります。)
④ どこまで求めるか、ある程度決めましょう。
具体的には、使用をやめさせればいいのか、
損害賠償まで払わせるまでやる気なのか。
それによって、警告書のトーンが変わるので、ある程度の見通しは立てましょう。
(後から変えることは可能です。)
⑤ どのぐらいのトーンでやるのか決めましょう。
優しくいくのか、怖くいくのか、紳士的に行くのかです。
⑥ 相手から逆に、打ち返される恐れがないか確認しましょう。
具体的には、相手の持っている、特許、商標、
不正競争防止法でやり返されないかを確認しましょう。
2 警告書に書く内容1(必須の内容)
警告書には、以下の内容を書きましょう。
-
- 特許権の番号(例えば、特許登録123456号)ですね。
- こちらの連絡先
- 対応期限
一般には2週間程度です。
たまに、3日とか馬鹿な期限を指定してくる方がおりますが、
馬鹿だなと思われるだけです。
相手に不要な警戒心と、敵愾心を生ませるだけで、
ビジネスとしては馬鹿なことだと思います。
3 警告書に書く内容2(必要に応じて書く内容)
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- 警告書とここまで書いておりますが、別に警告書と必ずしも書く必要はないです。
高圧的にでるということであり、訴訟しても確実に勝てる場合は、
「警告書」を使いますが、そうでない場合は、
それ以外の表現が多いです。タイトルの話です。
例えば、
一番弱い表現では、「お知らせ」「情報提供」「検討依頼」
もう少しづつ強くして言って、「通告書」、「警告書」等になります。
- 警告書とここまで書いておりますが、別に警告書と必ずしも書く必要はないです。
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- こちらが求める相手の対応
例えば、単にやめてほしいのか(差止)、損害賠償まで求めるのか(その場合いくらなのか?)。
やってもいいけど、使用料を取るのか(その場合いくらなのか?)。
などを記載しましょう。
ここに記載している内容も、どこまで書くのかも検討が必要です。
- こちらが求める相手の対応
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- こちらはどこまでやる気なのか
すぐに訴訟に持ち込むつもりなのか、相手の対応自体では訴訟も辞さないのか、
できれば話し合いで済ませたいのか、です。
ただ、この部分は、書き方によっては、相手になめられることも多いので、
対応次第で訴訟に行くぐらいが普通です。
- こちらはどこまでやる気なのか
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- 相手の侵害の態様の説明
相手のどの行為が、どうして、侵害になるのかの説明をしてあげると親切です。
特に、やめてほしい場合などは、
どの行為を問題としているのか教えてあげる必要があります。
- 相手の侵害の態様の説明
4 警告書は数回
警告書を出したら、すぐに相手が販売等をやめてくれるといいのですが、
そういうことは稀です。
大抵は、侵害じゃないとか、無効だとかという反論が来ることが普通です。
そうでなくても、1回、2回のやり取りで終わるということはむしろ普通ではないです。
互いがおれず、訴訟まで行ってしまうこともありますが、
半分以上は、裁判前に和解で終わります。
その時は、実施権契約などの契約書を結んで、
いくら払うということになることも多いです。
特許(実用新案)における通常実施権・専用実施権・独占的通常実施権とは(違い)
なお、弊所では、特許権に関する契約書の作成もしますし、
当然そのための各種交渉もします。(当たり前ですがね(笑))
5 警告書ひな形(雛形、テンプレート)
株式会社 代表者 殿 〒 331-0061 警 告 書 前略 当職は,株式会社○○(東京都 代表者 。以下「権利者」といいます。)の代理人として,貴殿に対し,次のとおり通知します。 侵害されたとする権利の種類 (商標権の表示) 権利者の請求 三.本書到達後二週間以内に貴社がとる対応を当職(弁理士植村貴昭)宛に書面での回答を求める。
侵害されたとする理由及びその根拠 (1)本件商標を使用する商品(本件商品) 貴社の「 」という商品は、上記特許の技術的範囲に入る技術を実施していると判断しております。 結論 草々 |
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