AI特許でうちの技術は守れる?

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表
有料職業紹介許可有

AI特許でうちの技術は守れる?

AI特許とは?

ベンチャー企業さんやスタートアップさんの中には、
AI(Artificial Intelligence:人工知能)技術を用いたシステムの開発をされている方も多くいらっしゃると思います。

そういう企業の方とお話をさせていただくと
「AI特許なんて、そんな最先端な特許、うちには関係ありませんよ」
とおっしゃるお客様もいらっしゃいます。

本当にそうでしょうか?

もしかしたら、今開発しているその技術、AI特許として保護できる価値ある発明かもしれません。

では、どんなものがAI特許として保護されるのか、特許庁の審査基準をちょっと見てみましょう。

「AIコア発明」と「AI関連発明」

 一口に「AI特許」といっても、特許庁の審査基準では、「AIコア発明」と、「AI関連発明」との二つに分けて定義しています。

AIコア発明

「AIコア発明」は、平たく言えば、AIの仕組みに特徴がある発明です。

例えば、

    • 機械学習
    • パーセプトン
    • 教師あり学習
    • 教師なし学習
    • ニューラルネットワーク
    • 深層学習
    • 自己符号化等

AIのアルゴリズムそのものに特徴がある発明です。

AI関連発明

一方、「AI関連発明」とは、既存のAIアルゴリズムを何に使ったか、どういう技術分野にAIを使ったかに特徴がある発明です。

従って、AI関連発明では、既存のライブラリ(関数)を使ってモデルを構築しても構いません。

例えば、
公知のライブラリを用いた未学習のモデルに、
医用画像と異常の有無を関連付けた(アノテーション)教師データを入力し、
医用画像から異常を検出する学習済モデルを構築し、
その学習済モデルを用いて医用画像から疑陽性陰影(「偽」陽性ではなく「疑」陽性です。陽性の疑いがある陰影という意味です。)
を抽出する医用画像診断支援システムを作った、

となれば、そのシステムからAI関連発明が生まれる可能性があります。

AI特許の種類

もちろん、AI関連発明だからといって、特許出願に特別な手続きは必要ありません。

また、通常の特許出願と同様に、新規性、進歩性といった特許要件を満たしていないと特許はされませんので、そこは注意が必要です。

うちの会社でもAI特許が取れる?

このように、「AI特許」といっても、
決して、AIの仕組みに関わるような基礎研究をしていなければ特許がとれないというわけではありません。

AIを用いて何か今まであった問題を解決したシステムであれば、「AI関連発明」になりうる可能性はあります。

AI特許がとれるかな?と思われましたら、いつでもご相談にください。

ビジネスモデル特許

AIで今まで人がしていたところを代替するという場合は、
ビジネスモデル特許とも関連することもあり得ます。

そのような場合は、ビジネスモデル特許
(狭義のビジネスモデル特許=システム特許)
として出願も十分にあり得ます。

そのような場合は、AIに入力される情報と、出力される情報などに特徴があったり、
AIのアルゴリズム事態に特徴があれば、十分に可能性があります。

ただし、その場合も、ハードウェア資源を利用するという要件には、
注意が必要です。

関連ページ

なお、特許庁では、AI関連発明の事例を公開しています。
ご興味があればこちらからご覧ください。

https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/ai_jirei.html

AIの技術を使ってビジネスモデル特許という場合は
ビジネスモデル特許を参照ください。

©弁理士 植村総合事務所

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