自力(自分・一人)で無料でできる特許調査(検索)の簡単(簡易)な方法:元審査官がお教えします。

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表
有料職業紹介許可有

無料でできる特許調査(検索)の簡単な方法(簡易な方法)

私は、元特許庁審査官です。そのため、一応、プロの特許調査スキルを持っています。

そんな私が、素人が自分(自力・独自・一人)でできるように、
特許検索(特許調査)のやり方をお教えします。

ただ、本当は必要ないのではないかと思っています。その理由は、このページをご参照ください。

では、調査方法をお教えします。
ただ、特許調査は、プロの仕事なので、とても奥が深く難しいです。
その為、最も簡単(簡易)かつ、無料の範囲での調査方法をお教えします。

特許調査には、FI、Fターム、国際分類などの難しい方法がありますが、
本当に難しいので、ここでは、最も簡単な方法で無料で調査する方法をお教えします。

ただ、しつこいようですが、調査は本当にプロの仕事なので、本来的には、
特許調査会社などに頼む方がいいとは思います。
(たぶん、一番簡単な調査なら5万円(税別)ぐらいかと思います。)

1 最初にすべきこと:出てくる単語と、類似語を検討

下記の2の最も簡単な検索でいいという方は、1ワード考えればいいので、
ほぼこの記載は、読み飛ばしていいです。

(1) キーワードの抽出

調査をする前に、しなければならないことは、
あなたが調べたい発明を、もし前もって出願している人がいた場合
その発明を記述した書類に

どんな単語が絶対に使われているだろうか?を

何よりもまず、検討する必要があります。
できるだけ、複数ワードが好ましいです。

ここで、例を挙げます

(1-1)(1)の具体例

何も例が無いと、イメージしずらいでしょうから、
ビジネスモデル特許で有名になった、
いきなりステーキ!の特許を例に例を出してみます。

いきなりステーキ!の特許では、そのビジネスの方法、

「客が、ステーキのグラム数を言って、
そのグラム数になるように店員がお客の前でステーキの塊から切り分け、
その切り分けられた肉を、お客の前で計量し、
そして、客が待つ立ち食い形式の席に、焼いた肉を店員が持っていく」

という物を探す場合を考えてみます。
このようなビジネスモデルって、この特許の前にはほとんど特許にならなかったため、
ほぼ、先行技術はなさそうですが、調査してみましょう。

なお、このビジネスモデル特許については、

下記のページで詳しく説明しております。

まとめ:ビジネスモデル特許

少し脱線しましたね、元に戻します。

この発明の場合、必ず現れるキーワードは、

      1.  ステーキ
      2.  切り分け
      3.  計量
      4.  立ち食い

かなぁと思います。

(2) キーワードの変化パターン・類似語の検討

次に、(1)で抽出された単語がその生ま使われる可能性

が、どのぐらいだろうか再検討する必要があります。

その際に、そのキーワードが使われない場合、
他の代替的なキーワードが何か考える必要があります。
それで、漏れてしまった文献を探すことはできなくなってしまうので、特に重要です。

例えば、コンピュータも、「コンピューター」も「コンピュータ」もあり得えます。
昔の文献なら、「マイコン」「オフコン」「パソコン」「サーバ」もあり得ます。
もちろん、英語の可能性などもあり得ます。
マイコンも「マイ・コン」と表記する可能性は低いもののあり得ます。

(2-1)(2)の具体例

次に、(1)で抽出された単語がそのまま使われる可能性などを考慮して、
変化させてたいと思います。

    1.  ステーキ ハンバーグ ビフテキ
    2.  切り分け きりわけ 切分 カット 裁断 切り落とし 切り落し 切落
    3.  計量 測る 測る 計り 量り 計り 測量 重さ
    4.  立ち食い 立食

 

2 もっとも簡単(簡易)な方法

まず、特許庁のこのページにアクセスください。

特許庁のJ-PlatPatという特許調査システムです。

そうすると、以下のページが出てきます。

特許庁の特許検索ページ
最も簡単な検索方法

このまま、もし、検索したい言葉が1ワード(例えば、「ステーキ」)しかないのであれば、
このページの全文というところ(青いペンで囲ったところ)に、
そのワードを入力して検索(下の「検索ボタン」を押す)してください。

なお、赤で囲ったところは、難しい検索方法なので、そのうち暇を見て、説明する予定です。
今は、気にしないようにしましょう。

普通のワードであれば、大量に出てくると思いますが、
頑張って1つづ読んで、調べてみてください。
たぶん、9割以上は関係ない文献だと思います(そのような文献をノイズといいます。)

3 もう少し使える検索方法法

(1)この方法の利点

一般に、2の方法は、1ワードだけで検索しており、その言葉が、一回でも出てきたものを全て、ヒットさせますので、ヒット数が多すぎて、読むのが大変です。

そこで、2ワード以上、(3ワード、4ワード・・・)の両方がでてくる文献という風に絞り込めば、より適切な文献を選び出すことができます。

ただし、ここで、注意しなければならないことは、必ずしも、探したい文献にその言葉が使われているか、よく考えなければならないのです。

例えば、その文献では、「立ち食い」と記載してあれば、
「立食」で検索した場合には、その文献は全く検索に引っかかってこないことになります。

ノイズを読みたくないということで、1キーワードを複数、かつ、類似語を検討された方は、
下記の方法で、ノイズの少ない検索(調査)が可能です。

(2) 検索の実際の方法

まず、特許庁のこのページにアクセスください。2と同じです。

特許庁のJ-PlatPatという特許調査システムです。

そうすると、以下のページが出てきます。

全て全文に変更する
全て全文に変更する

そのうえで、黄色の部分を全て「全文」に変更してください。

そして、キーワードに、1で検討した
1つのワード類義語を「 」(スペース)でつないで入れていきましょう。

そうすると、下記のようになるはずです。

各項目を全文検索に変更して、各きーわどを類似語とともにスペースを空けて入れて検索ボタンを押す
各項目を全文検索に変更して、各キーワードを類似語とともにスペースを空けて入れます。

そうして、下の方にある「検索」ボタンを押すと、

下記の様に出るはずです。

調査結果でいきなりステーキのペッパーフードサービスが見つかりました。
2個目に、特開2015-22894号が見つかりました。

「いきなり!ステーキ」の株式会社ペッパーフードサービスが出ていますね。

うまく見つけることができました。

めでたし!めでたし!

自力(自分)で特許出願(特許出願)をする方法とテンプレート(雛形)

© 弁理士 植村総合事務所 弁理士植村貴昭

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