特許・実用新案・意匠どちらがいいのですか:特許・実用試案・意匠の違い

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表
有料職業紹介許可有

特許・実用試案・意匠の違い

どれを選択すべきか、メリット、デメリット、相違点

このいずれを選択すべきかかなり難しいです。

実用新案については、使い方次第です!実用新案出願(実用新案申請・実用新案権)の使い道を参照して下さい。
意匠については、使い方次第です!意匠出願(意匠申請)の使い道を参照してください。

比較表

  特許 実用新案 意匠
審査の有無 審査あり 無審査 ※権利行使(警告)時に実用新案技術評価書必要
形式面の審査はあり
審査あり
権利の対象 技術思想:言葉で書いた内容に該当するものは全て権利範囲、そのため、技術思想について広く権利の取得が可能 基本的に特許と同じ。ただし、形状等でなければならない。つまり、製造方法、液体、気体物、形のないプログラム、システムなどは対象ではない 提出した図面と類似する範囲まで権利範囲が及ぶ
権利化までの期間 最短1年半 通常5年程度 2カ月程度 1年程度
出願時の費用 30~40万円程度 30~40万円程度 15万円程度
登録までの費用 70~80万円程度
広い権利を取ろうとして争う場合100万円程度
上記費用のみ 20~30万円程度
権利期間 出願日から20年 登録査定まで時間がかかるためその分、権利期間が短くなる。 出願日から10年

出願日から25年
(登録から20年から変更されました)

その方法でしか出願できないもの プログラム、システム、製造方法等の形がないもの、形があってもその形に意味がないものは、特許でしか保護できない。 実用新案でしか登録できないものはない。ただし、無審査であるため、1秒でも早く登録して権利行使したく、他の不利益には目をつむれる場合は、実用新案を選択するべきである。 過去のものと機能的・性能的に全く新しいことろが無い、メリットが無い場合に、その美しさ・かわいさ等で売りたい場合には意匠を選択する。
他方、新しい形による効果等がある場合、特許・実用新案も可能。
その他の特徴 権利化が遅いことは、弊所の考えではメリットといえる。
審査請求期限の3年まで、審査請求をしない場合は、費用的には実用新案とほぼ同じであるため、弊所は、実用新案よりは特許をお勧めしている。
登録という結果が、一刻も早くほしいという場合以外は、特許をお勧めします。 意匠でしか出願できない場合以外は、前出の特許のところで記載したように、特許をお勧めしています。
ただ、意匠は費用が特許に比べて安いこと、権利の範囲が類似という、我々プロでも断言できないもののため、相手をビビらせるだけなら、使い勝手はあるものと思われます。

コメント

各種の創作をどのように保護するのかは、とても重要です。
それをまとめたのが、上の表です。

ただ、お客様からどうしたらいいのかといわれると、
私も本当に悩みます。

一長一短あって、全ての点からこれしかないということがないからです。

一定の条件を重視するなら、これということはあっても、
総合的にどれが本当にいいのかわからないからです。

もちろん、良い悪いは、時が経過するにつれ変わってしまうことも多いです。

例えば、最初予算がないということで、費用の安い実用新案で出してしまったが、
その後、事業がうまくいって、権利の強い特許にしたいということもよくあります。

実用新案が一番気が楽です

この仕事をしていて、一番、辛いことってなんだとおもいますか?

費用を色々出してもらって、登録にならないことなのです。

          何でもよいから権利をくださいということなら、大抵何とかなるのですが、

そうでない場合は、事業を守るための権利となると、狭い権利は意味がないのです。
そうすると、そのような広い権利が登録にならないということもあり得ます。

そのようなことが、実は一番つらいのです。

そのため、そのようなことが起こらない(=無審査)の
実用新案が一番気が楽です。

ただ、それが実際にはお客様のためにならないこともあり、
そのあたりが悩みだったりします。

ただ本当は

費用がないのですが特許・実用新案どちらがいいのですか:本当に特許の方が高いのか?」

実用新案はやはり使い勝手が悪い:特許と実用新案で迷っています?と聞かれた場合

のページでも書かせていただきましたが、
やはり実用新案と特許では一定の特別な事情があるとき以外は特許の方が一般的に適切です。

にも書きましたが、特許の方が本当はお勧めです。

 

関連ページ

使い方次第です!実用新案出願(実用新案申請・実用新案権)の使い道

意匠・実用新案出願

特許庁のページ

特許申請知識編

©弁理士 植村総合事務所 所長弁理士 植村貴昭

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