負けるな!特許庁審査官からの最初の意見=拒絶理由通知
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 有料職業紹介許可有 |
負けるな!特許庁審査官からの最初の意見=拒絶理由通知
(英語では「オフィスアクション」「Office Action」「OA」)
この通知が来ること自体は問題ないと記載しましたが、
では、どのように対応すればいいのでしょうか。
その部分を、過去の経験から書いていきたいと思います。
拒絶理由通知の対応で最初にしなければならないことは、
審査官のいうことが正しいのだろうか、
ということを確認する必要があります。
つまり、
審査官の言っていることを理解はしても、
納得「し・な・い・こ・と」(しないこと)
が重要です。
国家公務員たる審査官がいうのだから間違いがないだろう
などということは全くありません。
能力が低いという意味ではなく、
審査官は大量に案件を処理しなければならないため、
どうしても、
① 出願発明の理解が浅い
② 引用文献との対応が間違っている
ことがあるのです。
そのため、まずやることは、
審査官が引用した主引例(通常は引用文献1、拒絶理由通知を読めばわかります。)に、
どこまで書いてあるかを考えることです。
その方法として、私が勧めるのは、
請求項1をプリントアウトし、
主引例(拒絶理由通知に引用文献1と記載されているやつです。)を見ながら、
請求項1に書いてある文字を1文字1文字について、
書いてあるといえるのかを検討して、
残念ながら、書いてあると思える部分はマーカーで塗りつぶし、
書いてあるとも、書いてないともいえる、又は不明瞭である部分は、
アンダーラインで引いていくのです。
次に、主引例に続いてくっつけられた、第2引例(通常は、引用文献2)です。
これについて、先ほどの主引例で塗りつぶされなかった部分、
及びアンダーラインの部分が書かれているのか検討するのです。
そうした泥臭いことをすることによって、
主引例と、第2引例と、出願発明との差異、同一部分が明確になります。
それが、拒絶理由通知への対応のスタートラインです。
もっともやってはいけないことが、
審査官の拒絶理由を読んですぐに納得する
ことです。
更に具体的な対応方法は、以下のページにそれぞれ記載しております。
拒絶理由対応(反論)方法
(1)新規性違反(特許法第29条第1項各号違反)
引用文献との差異が無い場合は、対応方法はないです。
そのため、差異(=相違点)を作る必要があります。
もっとも、このページの上の方で記載したように、
本当に差異が無いのかを厳密に検討する必要はあります。
(2)進歩性違反(特許法第29条第2項違反)
引用文献との差異(相違点)がある(=新規性がある)場合の対応方法としては、
その相違点について深く検討していくことになります。
その検討については、下記の記事を参考にして下さい。
阻害要因|拒絶理由通知への対応編
動機付け無し|拒絶理由通知への対応編
特許庁のHPはこちら
動機付け無し|拒絶理由通知への対応編
相違点の認定(=一致点の認定)について恣意的な認定の排除
拒絶理由通知への対応できますか。簡単に説明してください!特許になりますか?(無料で)
特許法第36条(明確性・実施可能要件・サポート要件)の拒絶理由通知への対応
拒絶理由通知にこだわる理由については、↓こちらのページ。
特許庁元審査官が教える!特許取得の拒絶理由通知にこだわる理由:拒絶理由通知が来ない特許はダメな特許
@弁理士 植村総合事務所 代表弁理士 植村貴昭