類と区分って何でしょう?商標の区分の説明

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表
有料職業紹介許可有

類と区分って何でしょう?商標の区分の説明

類の決定はとても大事(料金)

商標出願時にどうしても考えなければならないことは、どの類で出すかということなのです。
それは、商標を出すときの料金に直接関係するからです。

1区分(1類)増えるごとに、比例的に料金が上がってしまうのです。
そのため、少しでも関係すると思ったものをすべて取ってしまうと、非常に費用が掛かってしまします。

区分数と費用の関係

なお、各類の中に、さらに指定商品・指定役務があります。
そして、同じ類の中にある指定商品・指定役務はいくら増やしても、費用は同じです。

しかし逆に、類が異なると、異なる類の数だけ比例的に費用が増えることになります。

そのため、指定商品が10個でも1区分でも、指定商品が1つでも、費用は同じですが、
もし、この10個が別の類に属する場合は、指定商品が1つの場合の10倍となることもあります。

そのため、費用との関係で、類(区分)の決定は大変重要です。

さらに不足があると大変なことに

実は、弁理士の腕の見せ所の1つは、ちゃんと類(=指定商品・指定役務)を
過不足なく、または、お客様の予算の中でベストの提示をできるかだったりします。

激安・格安4:コンサルティングの必要性、例えば「Kindle」の例
等を参考になさってください。

なお、指定商品が過剰である場合は単にお金を損したというだけで済むのですが、
万が一、不足すると、競合他社に後から取られてしまう可能性もあります。

その時は、大変なことになります。
相手に、その不足の部分を取られてしまうと、
相手が正式な権利者なので、
あなたはその時から、商標権を侵害した悪者になってしまいます。

下記のリンクなども参考にして下さい。

激安・格安 18:指定商品・指定役務を選ぶ

商標漫画 2:ちゃんと商標を取ったのに、同じ商標が誰かに取られるかも!?

指定役務・指定商品

前述したように指定商品・指定役務を決定することが現在とても難しくなっております。

特にインターネットの発達で、商品とサービスの敷居がなくなり、かつ、お客様に与えるものと、それを提供してお金を得たい企業の本当の目的とが乖離している可能性があるからです。

例えば、googleですが、検索する消費者に様々なソフト、サービスを与えています。
(ソフトウエア、地図、メール)
では、googleの収益源はなにかというと、基本的に広告業です。

このように、お客様に与えるものと乖離がある場合には、特に、
その選定が難しいのです。

この辺りこそ、弁理士の腕の見せ所になり、コンサルが重要となるといわれるところです。

類と区分をもう少し説明

そもそも、商標の類(区分)とは何なのでしょう。

商標は世界中のありとあらゆる商品34個に切り分けました。
この切り分けを【区分】といいます。

また、商標は世界中のありとあらゆるサービス(役務)11個に切り分けました。
この切り分けを区分に分けたといいます。

そして、その分けた区分を1番から番号を振っていきました。

1番目を付けられた区分を第1類と言います。
類という言葉が特に使われた理由は、
1種の商品だけでなくそれに類すると考えられるものを
そこに入れて類するものが入っているからです。

第1類は、化学薬品と判断された商品が入っています。

以下、順々に類を作っていって、
商品の最後が、34類になっております。

そして、同じようにサービス(役務)についても、
35から順に番号を振っていき、35類・・・45類まで区分を分けたのです。
ちなみに、45類は、法律等の専門職などが入っています。

 各類の説明

(1)商品

以下は、商品について類を説明しております。

第1類
工業用、科学用又は農業用の化学品
第2類
塗料、着色料及び腐食の防止用の調製品
第3類 洗浄剤及び化粧品
第4類 工業用油、工業用油脂、燃料及び光剤
第5類 薬剤
第6類 卑金属及びその製品
第7類 加工機械、原動機(陸上の乗物用のものを除く。)その他の機械
第8類 手動工具
第9類 機械器具、光学式の機械器具及び電気の伝導用、電気回路の開閉用、変圧用、蓄電用、電圧調整用又は電気制御用の機械器具
第10類 医療用機械器具及び医療用品
第11類 照明用、加熱用、蒸気発生用、調理用、冷却用、乾燥用、換気用、給水用又は衛生用の装置
第12類 乗物その他移動用の装置
第13類 火器及び火工品
第14類 貴金属、貴金属製品であって他の類に属しないもの、宝飾品及び時計
第15類 楽器
第16類 紙、紙製品及び事務用品
第17類 電気絶縁用、断熱用又は防音用の材料及び材料用のプラスチック
第18類 革及びその模造品、旅行用品並びに馬具
第19類 金属製でない建築材料
第20類 家具及びプラスチック製品であって他の類に属しないもの
第21類 家庭用又は台所用の手動式の器具、化粧用具、ガラス製品及び磁器製品
第22類 ロープ製品、帆布製品、詰物用の材料及び織物用の原料繊維
第23類 織物用の糸
第24類 織物及び家庭用の織物製カバー
第25類 被服及び履物
第26類 裁縫用品
第27類 床敷物及び織物製でない壁掛け
第28類 がん具、遊戯用具及び運動用具
第29類 動物性の食品及び加工した野菜その他の食用園芸作物
第30類 加工した植物性の食品(他の類に属するものを除く。)及び調味料
第31類 加工していない陸産物、生きている動植物及び飼料
第32類 アルコールを含有しない飲料及びビール
第33類 ビールを除くアルコール飲料
第34類 たばこ、喫煙用具及びマッチ

(2)役務(サービス)

以下は、役務=サービスについての説明です。

第35類 広告、事業の管理又は運営及び事務処理及び小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供
第36類 金融、保険及び不動産の取引
第37類 建設、設置工事及び修理
第38類 電気通信
第39類 輸送、こん包及び保管並びに旅行の手配
第40類 物品の加工その他の処理
第41類
教育、訓練、娯楽、スポーツ及び文化活動
第42類 科学技術又は産業に関する調査研究及び設計並びに電子計算機又はソフトウェアの設計及び開発
第43類 飲食物の提供及び宿泊施設の提供
第44類 医療、動物の治療、人又は動物に関する衛生及び美容並びに農業、園芸又は林業に係る役務
第45類 冠婚葬祭に係る役務その他の個人の需要に応じて提供する役務(他の類に属するものを除く。)、警備及び法律事務

商標全般については、↓こちらのページです。

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©植村国際特許事務祖 所長 弁理士 植村貴昭

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