使用宣言(使用証明・使用証拠)(Declaration of Use or Excusable Nonuse under §71)
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植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 有料職業紹介許可有 |
アメリカの使用宣言・使用証明
以下、読むのがめんどくさい方のために、ざっくりまとめると。
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まとめ1 既に使用している、指定商品・指定役務 使用宣言(使用証明)期限までに使用の可能性が高い、指定商品・指定役務 で アメリカでは、出願すべきである。 また、アメリカでは上位概念は受け入れられない場合が多いので、下位概念 |
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まとめ2 使用証拠の提出はアメリカではかなり厳格(厳しい)である。 登録しているすべての指定商品・役務に対して、個別に使用の証明をする必要がある。 懐疑的にみられているため、継続的に使用していることを客観的に証拠で示す必要がある。 |
使用証明の時期
マドリッドプロトコルであっても、5年目までに必要である。
(事後指定の場合には、事後指定から5年)
マドリッドプロトコルを使用しない直接出願の場合は、
登録査定後に使用証拠の提出が必要
逆に言うと、マドプロの場合、使用証拠が無くても使用の意思だけで登録できるということになります。
使用証明の程度
使用として認められる例については、下記のページを参照
ttps://www.tm106.jp/?p=29324
ポイント・まとめ
・ 商品に印字されていることが重要であるようです。(広告物ではなく、商品自体であること
が必要なようです。簡単に取り付けることができる、タグのようなものの場合使用と認め
られない可能性が高いです。)
・ 電子販売の場合、単なるページではなく、注文して発注する手順がしっかりとあること
がポイントです。
・ また、役務の場合、店舗の外観(看板)などに記載されていることが重要です。
・ アメリカ国内での営業である必要があります。(ハワイ、グアムなどでも良い)
使用証明のタイミング
マドプロの場合では、
① 登録後5~6年の間
② 登録後9~10年の間
③ ②以降、10年ごと
に必要です。
①と②との間に期間があまりないため、注意が必要です。
使用証明の期間延長
使用証明ができない場合、お金を払って延長を申し立てることができます。
ただ、結構費用が掛かります。
アメリカの制度はたいてい、お金を払えば延長できます。
通常出願のアメリカの使用宣言・使用証明(通常出願)
マドプロ等でない場合には、出願時または登録時に使用証明が必要です。
登録は、半年ぐらいでされる場合が多いため、
登録時に証明するといっても猶予期間は半年ぐらいしかありません。
Sec.15 Sec.71とは
Sec.15
Section 15 の不可争性の宣誓書を提出することができます。
このSec.15の宣誓書を提出することで、商標登録の有効性を争うことが出来なくなります。
大変強力な手続きですが、嘘などがあると、フロードとなり(包袋禁反言・エストッペル・フロード)権利行使が出来なくなります。
Sec.71
マドリッドプロトコルを利用した際の使用宣誓書(通常の使用宣誓書は8条です。)です。
マドリッドプロトコルを利用した際は、71 条の使用宣誓書の提出が義務づけられています。
これをしないと、商標登録が無効になります。
このSec.71に加えて、上記のSec.15の手続きをすることが出来ます。
提出期間はアメリカ特許商標庁が発行する保護拡張の証明書の発行日から5年目と6年目の間です。
その後の宣誓書の提出は、やはり保護拡張の証明書発行日から10年毎となります。
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- 71に基づく使用宣言または弁解可能な不使用の提出、および以下の§71と§15に基づく複合宣言の提出に関する見積もりを参照してください。2019年現在
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商標登録後の手数料 |
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登録後 |
説明 |
サービス料 |
公式料金 |
2クラスの合計 |
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使用宣言 71条 |
ドケット、期限の監視、宣言の準備と提出、報告書の提出 |
450ドル |
クラスあたり225ドル |
900ドル |
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商標登録後の手数料 |
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登録後 |
説明 |
サービス料 |
公式料金 |
2クラスの合計 |
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§71および§15*宣言を組み合わせたファイリング |
ドケット、期限の監視、宣言の準備と提出、報告書の提出 |
900ドル |
クラスあたり425ドル |
1,750ドル |
*セクション71の宣言は、オプションのセクション15の異議申し立てと組み合わせて提出することができます。
米国登録日から5年間、商標の権利に関する不利な決定または係属中の手続きがない場合に、商取引で継続的に使用されている商標のセクション15宣言を提出することができます。 「争いのないこと」は、米国の登録が受ける法的推定を強化します。
アメリカの対応のまとめページは、こちらのページです。
マドリッドプロトコル全体のことを知りたいときは、このページです。
アメリカで使用証明をするための証拠
アメリカの使用証明は大変厳格です。
それは、アメリカが使用主義の国だからです。
特に、マドリットプロトコルを使用した場合には、登録時(審査時)の使用証明が免除されているため、
上記の①の登録後5年後の内容はかなり厳しく判断されるものと思います。
使用証明に必要な情報
使用証明をする際に提出する証拠に必要な事項
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- 「登録した商標」がしっかりと表示されていること
- 1の商標が、登録した商品・役務に直接的に使用されていることがわかること
- 証拠の日時がわかること
- 使用が継続的にされていると認定されること
- 上記の使用がアメリカ国内での使用と認められること
が必要です。
注意点
2.の点について注意点
指定商品・役務が複数ある場合にはすべての指定商品・役務について、全て証明が必要です。
そのため複数の指定役務がある場合には、指定商品・役務ごとに丹念に証明する必要があります。
4.の点について注意点
アメリカの商標審査官がこの証明において最も注意していることは、
証拠の捏造です。
本当は使用していないのにもかかわらず、
今回の使用証明のために、証拠を捏造して提出してきているのではないかと強い疑いの目を向けています。
そのため、簡単に急遽作ることができる電子データ
(例えば商品パッケージをデザインした際の電子データ、自社Webページでの販売)などは、
かなり疑いの目で見られます。
5.の点について注意点
アメリカでの商標の使用であるため、日本や、ヨーロッパなどでの使用ではもちろんダメで、
アメリカでの使用が証明される物でなければなりません。
単に英語で作られているというだけでは、証明になりません。
また、ドメインがアメリカのドメイン(例えば、co.us)というだけで、証明になるかは少し心配です。
その場合は、アメリカからのアクセスがどのぐらいなのかなどの客観的な証拠も必要とされる場合が多いです。
商品写真
やはり、急遽作るのが簡単ではないものとして、商標印刷された商品の写真などは、
かなり証拠価値が高いです。
そのため、多くの場合、商品の使用証拠は写真で提出することが多いです。
ただ、その場合であっても、このパッケージでどのぐらいの数が売れたのかの
客観的な証拠も必要とされる場合が多いです。
その写真も、会社内で急遽とったものではなく、
例えば、展示会などで、他の出展者などの情報がわかる方が証拠価値が高いです。
雑誌への広告の記載などで、第三者が介入した写真などは証拠価値が高いですが、
単なる広告でなく、購入までできる導線がある必要があります。
広告したという事実だけでは、使用とは認めないというのがアメリカの実務の様です。
なお、タグのみに商標を付けて販売しているような場合は、
タグは簡単に印刷・作成することができるため、証拠価値が認められない場合が多いと思います。
店舗写真(商品・役務の場合)
店舗などがある場合は、
店舗を作った時などの写真と、今現在の写真などがあり、
そこに、商標が映りこんでいれば証拠価値が高いです。
ただし、写真に役務の表記が映りこんでいない場合には、
別途、料金表・メニュー表や、店舗内のレイアウト等などから、
指定役務・指定商品に使っていることの証明をする必要があります。
Webページ
Webページは簡単に作り変えることができることから、
自社のWebページのみの場合には、証拠価値が低いとされる傾向があります。
そのため、第三者のWebページであるとよいです。
ただその場合でも、急遽、使用証明のため掲載を始めたと判断される恐れもあるため、
第三者を介して客観的に継続的に使用していることを証明できる必要があります。
また、そのWebページから購入ができる必要があります。
そうでないと、単なる広告とされ、使用実績とならないとされるからです。
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©弁理士 植村総合事務所 所長弁理士 植村貴昭



