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調光｜特定技能 ビルクリーニング
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植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士（取次資格有） 登録支援機関代表 |
調光｜特定技能 ビルクリーニング
電気設備分野における調光は、照明器具の明るさを変化させるものです。
省エネルギーを図るため、明るさを抑えることでムード感を高めるためなど、
節電とデザインの両方面から、調光を活用することが求められます。
調光は非常に歴史が古く、白熱電球、蛍光灯、ＨＩＤ照明、
近年ではＬＥＤ照明が普及していますが、全ての種類で調光機能が対応されており、
調光対応の照明器具を選定することで、照明器具の明るさを変化させられます。
照明器具を調光するには、調光対応の器具を使用しなければなりません。
調光に対応していない照明器具を調光すると、ランプが損傷する恐れがあり非常に危険です。
調光対応の照明器具は、コストが高くなるため、
必要場所のみ調光対応の器具として、一般器具と使い分けると良いと思います。
調光の種類
照明器具の調光には、ＰＷＭ調光と、位相制御調光が有ります。
ＰＷＭ調光
ＰＷＭ調光は、パルス変調を利用した調光制御を行うシステムです。
ＰＷＭとはＰｕｌｓｅ Ｗｉｄｔｈ Ｍｏｄｕｌａｔｉｏｎの略語を示しています。
ＬＥＤ照明の調光に適した方式で、
ＬＥＤ照明の点灯と消灯の時間を調整することで明るさを制御する方式です。
点灯と消灯を繰り返すことが、人の目にはちらつきとして認識されてしまっては、
照明品質の著しい低下を引き起こします。
これを防止するため、点滅周波数を高くし点滅が人の目に認識出来ないことで解決しています。
調光範囲は、１～１００％という高い反応性を持たせられ、
電圧変動など電源品質の影響を受けにくいという利点があります。
動画撮影などレコーダーによる映像の保存に対しても、
ちらつきが視認されにくいというのも利点の一つです。
ＰＷＭ調光を行うためには専用の調光装置として
コントローラーなど各種機器が必要となるため、機材が高価となりがちという欠点があります。システムのシンプルさを求める場合は、
白熱電球などで採用されている位相制御方式を採用するのが良いと思います。
位相制御方式
位相制御調光は、白熱電球などフィラメントに電圧を印加し、
発熱を光に交換するような一般電球に採用されている調光方式です。
トライアックを使用し、交流電源の波長のうち一部分を切断することで
明るさを調整することから、位相制御方式と言われています。
位相制御調光は調光を行うために必要な機器類が少なく、安価にシステム構築が可能なため、
従来の白熱電球ではこの方式が主流です。
ランプ電流を多く流すほど、波長を切断する時間が長いほど光は強くなり、
切断時間が長いほど明るさは小さくなります。
調光範囲を大きく設定すると、ちらつきを視認してしまうことや、
電源電圧が変動すると明るさに影響してしまうことが欠点です。
現在ではＬＥＤ照明が普及していますが、ＬＥＤ照明は白熱電球と照明の点灯方式が違い、
位相制御方式を単純に採用出来ません。
ＬＥＤ照明は、内蔵するドライバで交流を直流に変換しているため、
交流電源の位相が反映されません。
ＬＥＤで位相制御を行うため、位相情報をＰＷＭ信号に変換するといった措置が必要です。
調光による寿命の変化
白熱電球は、フィラメントを加熱しその熱によって発光しています。
フィラメントが一定時間以上発熱すると、フィラメントのタングステンが蒸発してしまい、
最終的には細くなって切れてしまいます。
フィラメントが切れた瞬間を白熱電球の寿命と呼びます。
調光を行い、フィラメントに電流が流れる時間を短くすれば、タングステンの蒸発が抑制され、フィラメントが切れるまでの時間を長く出来ます。これが、調光による寿命延長の原理です。
通常、スイッチのオンオフは突入電流の影響によりフィラメントに負担を与えるため、
寿命の変動を引き起こします。
調光は、フィラメントに衝撃や突入電流を与えないため、
フィラメントに対して優しい電流の流れとなり、寿命を延長するために適した方式と言えます。
位相制御方式による調光は、電源の波形を崩すものであり、
白熱電球には対応出来ますが、蛍光灯など位相制御を原理としていない照明器具に接続すると、蛍光灯の安定器に異常な負担を与え、寿命の低下や発熱を引き起こします。
調光設定を１００％とした状態であっても、位相は崩れており安定器への負荷は同様です。
適合しない調光システムを利用すると、
発熱、焼損、寿命低下など多くの問題が発生するため注意が必要です。
蛍光灯の調光と寿命の関係
蛍光灯は、インバータに対して調光信号を伝送し、
器具側で照明を高速点滅させることで明るさを調整する方式や、
余熱回路を持つ調光専用安定器から調光する方式があります。
蛍光灯の連続調光は、白熱電球と違って蛍光管の寿命を短くする原因となり、
２０％を下回るような低光束への設定を続けると、著しい寿命低下に繋がります。
蛍光灯は定格で運用するのが最も長寿命となる設計がなされており、
調光制御は蛍光管への負担が大きくなります。
インバータ駆動による調光であれば、蛍光管への負担が少なく、
定格使用と同等の寿命が確保出来るとされています。
調光を上手に活用して省エネを図りましょう。
