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残留塩素|特定技能 ビルクリーニング

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表

残留塩素

今回は「水道水が美味しい市町村ランキング」と、
水に関する様々なお話をしていきたいと思います。

まずは「水道水が美味しい市町村ランキング」。

ランク付けは、あくまでも個人の感想を基に行われていますが、
最も美味しく安全性の高い「水道水」は
「良質の地下水や湧水を少量の塩素で消毒したもの」となりました。

  第1位 福井県大野市

  第2位 熊本県熊本市

  第3位 鳥取県米子市

  第4位 静岡県富士宮市

  第5位 栃木県塩谷市

となっております。
薬品などを使ってろ過・消毒を行っているようですが、
「安全性」という意味では、確実性の高い水質であることは間違いありません。

そこで薬品(塩素)が登場します。

殺菌効力のある塩素系薬剤を有効塩素といい、
殺菌を分解してもなお水中に残留している有効塩素を「残留塩素」といいます。

普段、私達が口にする、水道水の塩素とは「残留塩素」を指します。

 

残留塩素をきちんと知ろう

水道水などを消毒するために使用される塩素系薬剤を有効塩素といいます。
有効塩素は殺菌や汚染物質との反応、紫外線の作用で分解しますが、
その後も殺菌・消毒効果を保ったまま水中に残っている有効塩素を残留塩素と呼びます。

残留塩素には大きく分けて遊離残留塩素結合残留塩素があります。
一般的には殺菌力の高い遊離残留塩素を測定し水の安全を確保しています。

塩素のメリットは、病原性の菌を殺菌し感染力を失わせることです。

デメリットは、独特のカルキ臭、有害物質トリハロメタンの生成、
量が多い場合には塩素そのものが人体に有害なことです。

そのため、殺菌力を保ちつつ,害のない範囲の残留塩素濃度を保つことが必要です。
また飲料水用、雑用水用など、用途によって基準が変わるので、
その点についても留意しなくてはなりません。

水道水の安全性を保つためには定期的な水質検査が必要です。
水道事業者の排水管から分岐して設けられた給水施設は、
建築物の所有者又は管理者に検査の義務があります。

それを定めているのが建築物衛生法であり、
対象となる「特定建築物」はこの建築物衛生法に基づいて維持管理しなければなりません。

遊離残留塩素を測定

みんなが使用する水だから濃度を守り検査を

水道水質基準は、水道法第4条に基づいて厚生労働省令によって定められており、
検査項目や基準、検査頻度などを詳細に指定しています。

中でも、給水栓における水に含まれる遊離残留塩素の含有率検査は
7日以内ごとに1度と、他の項目に比べると頻度が高く、
水の安全を保つためには残留塩素濃度が重要であるといえるでしょう。

 

入浴場を持つ施設の基準

公衆浴場法は、公衆浴場の経営について規定した法律、
旅館業法は旅館業の業務に定める法律です。

それぞれ、施設の清潔と入浴者、宿泊者の衛生に必要な措置を
講じなければならない旨が規定されています。

また、社会福祉施設等におけるレジオネラ症防止対策は、
地域の自治体によって基準が厳しく設けられています。

浴場における感染症で最も注意が必要なのがレジオネラ症です。

レジオネラ症は、レジオネラ属菌が原因で起こり、
急激に重症になって死亡する場合もある怖い感染症です。

レジオネラ属菌に汚染された細かい水滴(エアロゾル)を吸い込むことで感染するので、
打たせ湯、シャワー、ジャグジーなどエアロゾルが発生する場所では特に注意が必要です。
同様に、循環式浴槽水もレジオネラ属菌が繫殖しやすく、十分に管理する必要があります。

 

レジオネラ属菌の消毒には、塩素が有効です。
水道水は一定の残留塩素濃度があることから、
レジオネラ属菌の繫殖はしづらいといわれています。

しかし、循環式浴槽などでは、塩素がどんどん消費されていきます。

そのため、適切な遊離残留塩素濃度を維持することが重要となります。
レジオネラ症を防ぐ遊離残留塩素濃度は0.2~0.4mg/Lを
1日2時間以上保つことが望ましいとされています。

遊泳用プールでも「遊泳用プールの衛生基準」が
厚生労働省によって定められており通達されています。

特に屋外プールは紫外線や雨の影響を受けやすいため、塩素消費が激しく、注意が必要です。
遊離残留塩素濃度は0.4mg/L以上1.0mg/L以下であることと定められています。

 

 美味しい水の供給は“ウォーターサーバー”が一般的になっていますが、
たまにはハイキングを兼ねて「水道水の美味しい地域」に出かけてみるのもいかがでしょうか。

また、綺麗な水の「お風呂」・「プール」で心と体もリフレッシュするのもいいことでしょう!

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