PCTとするべきか否か、メリット・デメリット
|
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 有料職業紹介許可有 |
PCTとするべきか否か、メリット・デメリット
1 メリット
(1)判断期間の延長
一番のメリットは、外国に国に出願する(例えば、アメリカ、 中国、EU等) ということを決定する判断の期間に30か月が与えられることです 。
他方、日本国内のみの出願をした場合、 途中から他の国にも出して権利を確保したいという場合には、
12か月しかありません。
上記の30か月、12か月は、 翻訳をそれまでに用意しなければならない国も多く、
準備を余裕を持って進めると、それぞれれ、28か月、 10か月程度しかありません。
開発を進めるながらであると、10か月は大変短く、 判断できない場合が多いです。
つまり、日本国内のみの出願だと、10か月を過ぎてしまうと、 他の国への権利確保ができなくなることが、
確定してしまうということになります。
(特急料金料金などをいただくことで、 11か月半の時点でやることもできますが、
大変あわただしくなってしまいます。その他の方法もありますが、メジャーな方法ではありません。)
(2) 出願時や12か月時には思いもしていなかった国での権利確保に走 れる
期間が長い(30か月)というだけでなく、
30か月まで国を好きに選べるというメリットも大きいです。
(30か月の頃に、急に、 一定の国から引き合いが来たなどに対応できるということです。)
(3) 出願から2か月程度で予備調査とそれに対する判断結果をもらえる
日本国内の場合は、出願しただけでは、審査を受けられません。
その後に審査請求をしなければ、 その出願の登録可能性を全く判断できないです。
また、審査請求しても1年程度その審査結果をもらえません。
他方、PCT出願すれば、2月程度で、 あくまで予備的な暫定判断ですが、
調査結果、判断結果をもらえます。
これにより、日本で権利を取るために進めるか否か、 他国に出願するかの判断に使えます。
2 デメリット
日本国内にのみ出願するのに対して費用が掛かるということです。
例えば、30か月たったけど、 日本にしか移行しないという場合には、
おそらく、15~30万円程度余計にかかりました。 ということになってしまうものと思います。
また、出願当初予定していた外国への出願も、
PCTを経由したことにより、
余計に費用が掛かったということになってしまいます。
3 まとめたページ
下記に、私がまとめたページがありますので、 参考にしてください。。
©弁理士 植村総合事務所 所長 弁理士 植村貴昭
- PCT出願→日本移行・アメリカ移行、日本出願→PCT出願→アメリカ移行、の比較
- PCT(国際特許出願)で各国移行するか?否か、どの国に移行するべきかの質問への答え:選択・決定・決断のための視点(時間・費用(コスト)・事業化の程度・競合・情熱)



