商標調査の結果、識別力がないので登録できない可能性がある方へのアドバイス

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表
有料職業紹介許可有

商標調査の結果、識別力がないので登録できない可能性がある方へのアドバイス

問題の所在

このページを読まれている方は、

取りたい商標があって、それについて申請(出願)しようとしたところ、
弊所(弁理士事務所)が、商標調査したところ、

識別力が無いことから登録できない可能性がある!

と言われた場合を想定しております。

先願があるから登録が難しいとなった方はへのアドバイスは、以下のページを参照ください。
商標調査の結果に類似した先願の商標があるとなった方へのアドバイス

識別力がない(記述的商標)とは

識別力がないと、簡単に記載しておりますが、
その点から、よくわからないという方もいて当然だと思います。

識別力がないとは、他には、記述的商標ともいわれます。

簡単に申し上げると、識別力がないとは、
その標品の品質等を表すものであり、その商品を取り扱っている同業者であれば、
誰もがその言葉を使う可能性があり、一人(一社)に独占させるべきでない商標を言います。

例えば、

化粧品に美白、色白、シミ取り、しわ取り、
食品では、美味しい、美味、無添加、保存料不使用、
携帯電話では、5G、インターネット、

などが典型例です。

識別力がないということに、ついて、
もう少し知りたい方は↓を参照してください。
識別力がない(記述的商標)とはどういうことか

簡単な結論

一番安易なアドバイスとしては、

商標変更してください!

です。

弁理士事務所としては、もっとも、安易かつ安全なアドバイスです。
正直、過去何度もほかの事務所の調査結果を見せていただいたことがありますが、
このような、アドバイスとも言えない結果を見てきました。

せめて、変更の方向性ぐらい出せや!と思います。
ダメというだけなら、馬鹿でもできると私は思います。

では、なぜ、そのような変更ようのアドバイスをしないかというと、
アドバイスした内容でも登録できないと、責任問題になるからです。
大変だからです。

ただ、あえて擁護すると、

これから書いていく、ことよりは、やはり

安易かつ確実です!

できれば、弊所も、このアドバイスにとどめたいというのが本音です。

識別力がない=価値が高い

しかし、識別力が無い(低い)くて登録できないということは、
実は、その商標は価値が高いということも、実は意味します。

取れる確率は低くても、その分価値が高いのです。

東大は難しいから価値が高いのだということと同じです。

商標の例でいうと、化粧品で、アロンドよりも美白の名前で売り出した方が、
売れそうであるといいうことです。

この点をもう少し説明したのが、下記のページです
必要に応じて、参照してください。
記述的商標(識別力のない商標)(=価値ある商標)についての説明:標準文字についての説明:ロゴと文字の違いも含めて

経営判断

前述したように、安易かつ確実な商標変更が難しい場合があります。

また、識別力が低い(記述的商標)=価値が高いということですので、

危険性があるものの取りに行くというのも、十分に合理的です。
(後述しますように、確率と欲しさにもよります。)

そのような方に対して、以下のアドバイスをさせてさい。

ただ、下記の方法にはリスクがあり、それを選ぶか否かは経営判断になります。

識別力の低い商標の場合

登録できない=使えないとはならない

登録できない可能性があるということだと今後、その商標は使えないのかというと、
実は、そんなことはありません。

先願があるということだと、使えない可能性も比較的高いですが、
識別力がないということは、誰かに独占させることが適切ではないということに過ぎません。

その為、たとえ、登録できなくても使用は続けることができる場合が通常であるということになります。

ただ、記述的商標の場合使い方を考えないと、虚偽表示等になってしまい景品表示法などに違反する可能性はあります。

このように、登録できない=使えなくなるということでは無いため、
登録できるか否かチャレンジしてみるというのも十分に合理的な判断ということになります。

結論

以上から、識別力が無い(低い)商標であっても、商標権の取得可能性があまりに低い場合、
商標を簡単に変更できるような場合以外は、まずは、商標権の取得をめざすというもの経営判断として、合理的なのです。

もちろん、最も安全なのは、商標変更です。
ただ、それとて、変更した商標が今度は簡単にとれるとも限らず、そちらも先行商標がある可能性もあるのです。

商標の取得可能性を高める工夫

商標の取得可能性を高めるための、商標の大幅変更以外の方法は、例えば以下のような方法があります。

① すでに取得済みのほかの商標と組み合わせる(会社名など、例「明治 おいしい牛乳」など)
② ロゴ化してみる
③ 識別力を増す他の言葉を足してみる(例、「どんどんおいしい牛乳」)
④ 短縮してみる(オンザジョブトレーニング → オンジョブ)

等です。取得の可能性は上げられる可能性があります。

弊所が取得した、難しい商標例なども参考にしてください。
植村国際特許事務所が取得した取得困難(価値ある)な商標リスト :記述的商標・識別力のない商標、商標法3条1項3号等

また、弊所が取得したものではないですが、登録例なども参照ください
登録例:記述的商標(識別力のない商標)

発想の転換

以上は、今の識別力のない商標を何とか登録したいという範囲でのアドバイスです。

他の方法としては、発想を転換して、
今一度、商標自体を変更する方法です。

識別力が低い=価値が高いというのは本当ですが、
将来的(大きくその商標が育った時)には、
識別力が低い商標でいいのかは、問題になるからです。

詳細は、
商標は育てるものです!識別力がない(記述的商標)時の対応方法での発想の転換など

拒絶査定不服審判

いずれにしても、識別力が低い商標が審査段階で登録になる可能性は低いです。

その為、審判まで行くことを覚悟してほしいです。
費用も掛かりますが、それほど、価値のある商標だからです。

拒絶査定不服審判については、下記を参照ください。
審査官殿納得できません!商標の拒絶査定不服審判

また、実際に弊所が反論した反論例も参照くださればと思います。
識別力がない(記述的商標 商標法3条1項3号、6号、4条1項16号)という拒絶理由への反論例:生化粧品、ももいろ等

何パーセントぐらいなら行ったらいいのか?

正直、とても重要ということであれば、1%でも確率があれば行くべき時もあると思います。
他方、費用はかけたくないということであれば、70%程度の取得確率でもあきらめるべきの場合もあります。

一種、経営判断の部分は多くあります。

ただ、一般的には、
50%以上なら、出願してチャレンジしたほうがいいと私は思います。

20~50%も、費用をかけられるのならチャレンジしてほしいです。

それ以下では、止められた方がいいかもしれません。

関連ページ

特許庁の識別力に関する記述

©弁理士 植村総合事務所 所長 植村貴昭

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