拒絶査定時の対応(商標)
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 有料職業紹介許可有 |
拒絶査定時の対応(商標)
1 本当に嫌な通知!(言い訳なのかも・・。)
拒絶査定を受けた時に、それをお客様にお伝えするのは、本当に嫌です。
もちろん、難しいかもしれません、とお伝えしていたりはしますが、
それでもやはり嫌です。逃げ出したくなります。
結果から見れば、出願を依頼されたときに、登録になりませんと、
伝えるべきであったと後悔します。
ただ正直、商標が登録できるか否かは、この業界で20年以上、審査官として、
弁理士としてやってきておりますが、いまだに予想をすることはできないです。
たぶん、100%どの弁理士も、私のような元審査官も、予想できないと思います。
もちろん、絶対に無理なものは分かりますし、絶対に通るものもわかりますが、
その間のグレーのものについては、分かりません。
審査官の権限(裁量)が大きく予想が難しいのです。
審査官によって、かなり結果が異なるからです。
そこが、行政書士と弁理士の仕事の違いでもあります。
(植村は、行政書士の資格も持っており仕事もしておりますが、
行政書士の仕事は、ビザの仕事を除いて受任の段階で、
取れるか取れないか分かるのです。)
(1)厳しめに判断すれば
正直、拒絶査定を回避する方法はあります。
しかも簡単な方法で。
それは、登録できない可能性が少しでもある場合には、全て、
登録できない可能性があるから、
商標変更してください!
と、申し上げれば問題は生じないのです。
ただ、商標は、↓このページでも、
商標取得の拒絶理由通知にこだわる理由
記載しておりますが、
取れない可能性がある商標こそ、価値ある商標なのです。
だから、取れない可能性(パーセントを申し上げつつも)指摘しつつ、
頑張ってみましょうか、ということを申し上げてチャレンジするというのが、
私の方針なのです。
(2)そのようにしている先生が多い
そのように、責任を回避するために、
難しい商標は全てダメと言って変更を求める弁理士もいると聞いております。
それでもやってくれと言われたら、
ダメだと思いますがやってみます・・・
というスタンスの弁理士もいると聞いております。
それは、とても簡単ですし、責任もないので気楽です。
正直、私もそうしたいです・・・。
(3)それでいいのか?
私は、そうではないと思いますので、チャレンジしております。
でも、チャレンジしてだめだった時に、とても苦しいです。
でも、クライアント様の利益を考えると、その方がいいと思って、
いつも頑張っています。
以上は、言い訳なのかもしれませんが、私の本当の想いです。
2 拒絶査定への対応案
拒絶査定を受けた時の対応案を以下に述べます。
(1)拒絶査定不服審判
最もスタンダードな対応です。
そして、効果が大きく、登録になる可能性も十分にあるのです。
この拒絶査定不服審判については、↓このページも参照ください。
審査官殿納得できません!拒絶査定不服審判
不使用取消審判:登録時の注意!
ただ、費用がかかってしまいます。
特許庁の費用だけでも、
15,000円+40,000×区分数
かかってしまいます。
そして、普通なら、弊所の手数料は180,000円(税別)も必要としてしまいます。
そのため、本当に心苦しいです。
(2)再出願
審査官によって異なる判断があり得ますので、
全く同じものを再度出願することも可能ではあります。
ただ、一応、特許庁も役所なので、
人によって結論が異なるというのは対外的にまずいので、
覆る可能性はほぼないです。
そのため、もし、そうであれば(1)の拒絶査定不服審判で争うべきです。
(3)別出願
商標を変更して出願することがあり得ます。
商標を変更する方法としては、
-
- 文字商標をロゴ商標に変更する。
- 新たな言葉を前後、中間に加える
- 区分(類)などを再度検討する
等をして、登録の可能性のある商標を出願するのです。
ただし、別出願なので、再度、1から再度費用がかかってしまいます。
(4)あきらめる
対応といえるかは微妙ですが、商標権取得をあきらめるという方法もあります。
このような対応を勧める事務所もおおくあります。
そうでなくても、(3)の別出願を再度費用を取って進める事務所も多いです。
ただ、私としては、ご依頼いただきお金をいただいて対応した以上、
このような終わり方はしたくなく、
上記のいずれかの対応にて、何らかの商標権を得てほしいと思っております。
なお、安さを前面に出している事務所の問題点は↓にまとめております。
安さが全て!:激安・格安で商標申請・商標出願を受ける特許事務所(商標事務所)
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