審査官が3条1項3号等の適用において役務等について「関する役務」等と認定した場合の対応方法
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 有料職業紹介許可有 |
審査官が3条1項3号等の適用において役務等について「関する役務」等と認定した場合の対応方法
弊所の場合、以下のように記載して、その後、間接的、暗示的な範囲にとどまると主張します。
(ハ)また、「関する情報の提供」という範囲で考えると世の中のすべての言葉が役務の質又は内容等といえると思料いたします。 例えば、商標が「トマト」であっても、トマトに関する情報の提供といえるのであるから役務の質又は内容等であると言えてしまいます。 そのように、情報の提供の場合、「関する」という漠然とした関連付けで役務の質又は内容であると認定することは、どのような言葉であっても、役務の質又は内容等に該当するとして、登録にならないということになるってしまいます。 |
事例1:(登録査定)
【出願番号】 商願2015- 73954
(ロ) 審査官殿は「「ゲーミフィケーション」の文字が、「ゲームの手法をゲーム以外のビジネスに応用し役立てる手法」を表す語として」と指摘されていますが、ゲーミフィケーションの意味は定まっておらず様々な意味で使用されているものであります。
ウィキペディアの「ゲーミフィケーション」記載の最広義、狭義、最狭義のいみのいずれを見ても、「ビジネスに応用して役立てる」という意味は記載されていません。
インターネットにおいてウィキペディアをご検索頂き、「ビジネスに応用して役立てる」という意味は記載されていないことをご確認くださるようにお願い致します。
にもかかわらず、ゲームの手法をゲーム以外のビジネスに応用し役立てる手法を意味するものとして、断定することは困難であると思料いたします。
万一、ゲーミフィケーションの意味をゲームの手法をゲーム以外のビジネスに応用し役立てる手法だと限定したとしても、
それが、審査官殿が認定されたように「ゲーミフィケーションを活用した経営に関する情報の提供」にまで発展させるのは、
恣意的にゲーミフィケーションの意味を拡張するものであると思料いたします。
(ハ)また、「関する情報の提供」という範囲で考えると世の中のすべての言葉が役務の質又は内容等といえると思料いたします。
つまり、世の中のすべての事柄が何らかに「関係した情報」です。それを提供することは、どのようなことであっても可能です。
例えば、商標が「トマト」であっても、トマトに関する情報の提供といえるのであるから役務の質又は内容等であると言えてしまいます。
もちろん、このトマトに関する情報の提供というのは、漠然としていて、トマトの何に関する情報の提供であるか不明です。
例えば、トマトの料理方法に関する情報の提供かもしれませんし、トマトの栽培に関する情報の提供かもしれません。その他の意味とすることも任意に可能です。
そのように、情報の提供の場合、「関する」という漠然とした関連付けで役務の質又は内容であると認定することは、どのような言葉であっても、役務の質又は内容等に該当するとして、登録にならないということになってしまいます。
そのため、「関する」という曖昧で、どのような物にも関係させられる言葉によって、役務の質又は内容等であると認定することは、妥当ではないと思料いたします。
また、3条1項3号の対応のまとめページは以下です。
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