PCT出願の国際段階のフロー・来る書類
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 有料職業紹介許可有 |
PCT出願の国際段階のフロー・来る書類
1. 出願時
特許庁に紙又は電子(代理人の場合は必ず電子)で出願する。
2. 出願から2週間程度 受理官庁からの受理通知等
問題なければ以下の2つの書類が、この書類を1ページ目にして来ます。
(なお、同時期に他の出願もしていると、他の件も同時に来ます。)
① PCT/RO/105 国際出願及び国際出願日の通知書
受理官庁により標記の国際出願が受理されたこと、
国際出願日の認定要件が満たされたことを通知するもの。
- 国際出願の原本(記録原本)が国際事務局に送付された日付が記載されている。
(出願人の対応)出願番号、国際出願日、優先日、出願人、発明の名称、
国際出願の原本(記録原本)が国際事務局に送付された日付を確認する。
(植村メモ)特段対応の必要はないです
② PCT/ISA/202 調査用写しの受理の通知
受理官庁(日本国特許庁)が、当該国際出願の調査用写しを作成し、これを管轄国際調査機関(日本国特許庁)に送付したことを通知するもの。管轄国際調査機関(日本国特許庁)が、調査用写しを受理した日付が記載されている。国際調査報告及び見解書の作成期間を確認する。
当該作成期間は、上記受理の日から3ヶ月、または優先日から9ヶ月の何れか遅く満了する日となっている。
(出願人の対応)国際調査報告及び見解書の作成期間の確認
(植村メモ)
特段対応する必要はないと思います。出願人にも通知する必要はないです。
もし、これ以外の書類が来ると、大変です。
国際事務局(IB)からの通知
受理官庁(RO)からの通知
などを参照して、対応してください。
例えば、書類不備などが考えられます。
3. 出願から3週間程度 国際事務局からの受理通知
問題なければ以下の2つの書類が、この書類を1ページ目にして来ます。
(なお、同時期に他の出願もしていると、他の件も同時に来ます。)
①PCT/IB/301 記録原本送付および受理通知
②PCT/IB/304
(植村メモ)
特段対応する必要はないと思います。出願人にも通知する必要はないです。
4. 出願から3カ月程度 国際調査報告等
出願から3月程度で、国際調査機関(=日本の特許庁に審査官が調査します)
から以下のような書類が来ます。
問題なければ以下の3つの書類が、この書類を1ページ目にして来ます。
① PCT/ISA/210 国際調査報告書
② PCT/ISA/237 国際調査見解書
-
- (植村メモ)
19条補正、34条補正はしない方針なので、単に、出願人に来ましたと伝えて、
後は優先日から30カ月後にどうするか検討しましょう
と伝えるだけで十分かと思います。
- (植村メモ)
③ PCT/ISA/220 ①と②が作成されたことの通知書
(植村メモ)
①と②が作成されて通知されたことの通知書なので、特段対応する必要は全くないです。
6. 出願から19カ月程度(この書類は一切対応不要)
PCT/IB/308(a)
(First Notice Informing the Applicant of the Communication of International Application (To Designated Offices Which do not Apply the 30 Month Time Limit Under Article 22(1))
(国際出願の送達に関する出願⼈への最初の通知 (第 22 条 (1) に基づく 30 ヵ⽉ の期限を適⽤していない指定官庁に対する送達))
(植村メモ)
通常は、対応しなくてよい通知。
優先日から30月以内に国内移行となっているが、
ルクセンブルグ、タンザニア、ウガンダ は、20月以内に移行しなければならない。
ただ、これらの国に出す出願人は、ほぼいないので気にしなくてよい。
7. 出願から28カ月程度
PCT/IB/308(b)
(Second and Supplementary Notice Informing the Applicant of the Communication of the International Application (To Designated Offices Which Apply the 30 Month Time Limit Under Article 22(1))
(国際出願の送達に関する出願⼈への⼆回⽬および追加的な通知
(第 22 条 (1)に基づく 30 ヵ⽉の期限を適⽤している指定官庁に対する送達))
国際事務局は、指定官庁に対し20条送達を行った旨を出願人に通知する。
20条送達とは、国際事務局が、国際出願およびその国際調査報告を、
国際公開後に各指定官庁に送達すること。
2番目及び追加の通知は、優先日から28ヶ月経過後に速やかに出願人に通知される。
20条送達を請求し、かつその送達がなされた指定官庁、
その送達日、20条送達を請求しなかった指定官庁が記載されている。
20条送達がなされた指定官庁については、送達日に20条送達されたこと、
及び出願人が国際出願の写しの提供を指定官庁に要求されないことの証拠となる。
(植村メモ)
この書類を貰った段階で、各国の移行についてお客様に確認を取るトリガーにする。
8. 出願から29カ月程度(この書類は一切対応不要)
PCT/IB/326 国際予備報告書の選択官庁への送付に関する通知
・国際事務局は、国際予備報告書を選択官庁に送付した場合、そのことを出願人に通知する。
(植村メモ)
特段対応する必要はないと思います。出願人にも通知しなくてもいいと思います。
PCT/IB/338 国際予備報告書の翻訳文の写しを指定官庁への送付すること関する通知
・出願後3月程度で作成されているPCT/ISA/237を指定官庁に送る旨の通知です。
(植村メモ)
特段対応する必要はないと思います。出願人にも通知しなくてもいいと思います。
PCT/IB/373 国際予備報告書の翻訳文の写しを指定官庁への送付すること関する通知
・PCT/ISA/237の表紙
(植村メモ)
特段対応する必要はないと思います。出願人にも通知しなくてもいいと思います。
PCT/ISA/237と、その英訳
・出願後3月程度で作成されているPCT/ISA/237が今一度送られてくる。
(植村メモ)
特段対応する必要はないと思います。出願人にも通知しなくてもいいと思います。
9. EPOからの通知
29カ月が過ぎた後あたりに、EPOから来る通知
がやってきます。
31ヶ月まで移行できますが、どうしますか?
という、親切な通知です。(笑)
(植村メモ)
移行国を、ちゃんと決めている場合には、この通知は気にしないでいいと思います。ヨーロッパに移行すると決めている場合は、今一度、移行手続きを取ったか、確認したほうがいいかもしれません。
10. 各国移行費用
各国からの移行費用は、下記のページなどを参考にしてください。
11. その他書類
その他の書類は、普通には来ない書類です。そのため、以上の通知以外が来た場合は、
ただちに、対応をする必要があります。
(1)受理官庁(RO)からの通知
以上です。
PCT全般については、こちらのページ
特許全般については、こちらのページ
©弁理士 植村総合事務所 所長 弁理士 植村貴昭
5. 出願から18カ月程度
PCT/IB/311
国際公開番号の通知(NOTIFICATION CONCERNING AVAILABILITY OF THE PUBLICATION OF THE INTERNATIONAL APPLICATION)
・国際事務局は、国際出願の国際公開番号を通知する。
(出願人の対応)
・公開公報を入手し、書誌事項などを確認する。
・誤りがあれば、国際事務局にその旨を通知して、訂正版を発行するように請求する。
公開公報の入手は、こちらから。
(植村メモ)
<通常は対応しなくて良い通知です>
・出願公開というやつです。
出願から18ヵ月(優先日がある場合は、優先日から18カ月)で公開されています。