結合商標:商標法第4条第1項第11号への対応例(先願:A B 対 ほしい商標本願:A ←逆の場合も含む
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 有料職業紹介許可有 |
結合商標:商標法第4条第1項第11号への対応例(先願:A B 対 ほしい商標本願:A ←逆の場合も含む)
(1) 先願:「A B」:ほしい商標「A」又は「B」の場合
ここでは、「A」という商標がある場合に、
先行商標調査した時に「A B」又は「B A」があった時を想定して記載します。
なお、A又はBが、数字であるような場合や、
商品や役務の名前や、品質を表す場合は除かれます。
例えば、
化粧品について 先願:「白瀧 シャンプー」 ほしい商標「白瀧」
化粧品について 先願:「白瀧 2」 ほしい商標「白瀧」
化粧品について 先願:「白瀧 朝用」 ほしい商標「白瀧」
化粧品について 先願:「白瀧 しっとり」 ほしい商標「白瀧」
化粧品について 先願:「白瀧 プレミアム」 ほしい商標「白瀧」
化粧品について 先願:「白瀧 ゴールド」 ほしい商標「白瀧」
化粧品について 先願:「白瀧 白肌」 ほしい商標「白瀧」
化粧品について 先願:「白瀧 特級」 ほしい商標「白瀧」
化粧品について 先願:「白瀧 ニューヨーク」ほしい商標「白瀧」
化粧品について 先願:「白瀧 ジャパン」 ほしい商標「白瀧」
ような場合は除かれます。先願とほしい商標が逆の場合も同じです。
例えば、
化粧品について 先願:「白瀧」 ほしい商標「白瀧 シャンプー」
具体例
本件で問題にしているのは、
A及びBのいずれも高い識別力を有している
(=その商品等との関係で、珍しい名前であること)
場合を考えています。
化粧品について 先願:「白瀧 黒瀧」 ほしい商標「白瀧」
化粧品について 先願:「白瀧 彗星」 ほしい商標「白瀧」
化粧品について 先願:「朝日 白瀧」 ほしい商標「白瀧」
などです。
この場合の登録可能性
この場合の登録可能性は、40~60%です。
審査官によって、かなり判断がぶれると思います。
具体的には、一回も拒絶理由が通知されず、あっさり登録される可能性も高いです。
他方、どんなに反論しても登録ならない可能性もあります。
審査官の感情次第といえます。
それを、前もって予想することは難しいです。
危険性
このように、審査官によってぶれる可能性が高いことから、
自分があきらめた商標が、
第三者が出願したことによって、
あっさりと(拒絶もなく、6カ月ぐらいで)取得されるということも
十分に考えられるのです。
そのため、弊所が40%ですと申し上げた場合でも、
それなら出願をやめることは危険性があります。
識別力が低ければ?
AもBも識別力が高い場合は以上のようになりますが、
先願が「A B」で、ほしい商標が「A」の時、
Bの識別力が下がれば、それ応じて、取得可能性は大きく下がります。
このページの最初で除外した
化粧品について 先願:「白瀧 シャンプー」 ほしい商標「白瀧」
のような場合は、ほぼ0%に下がってしまいます。
また、そこまで低くなくても、中間的な場合も、当然、
識別力が高い場合の前述の40~60%よりも下がってしまいます。
(2) 先願:「A」:ほしい商標「A B」の場合
この場合には、上記の「(1)先願:「A B」:ほしい商標「A」又は「B」の場合」」よりも高い確率になります。
具体的には、60~80%になります。
この場合にも識別力が下がる場合
もちろん、Bの識別力が低い場合には、
先ほどの、60~80%は下がっていきます。
例えば、化粧品について 先願:「白瀧」 ほしい商標「白瀧 シャンプー」
の場合、ほぼ0%になってしまいます。
(3) 著名商標+何か
先願が著名商標の場合、上記の確率は下がってしまいます。
有名な先行商標のおこぼれにあずかろうとしていると判断される可能性が高くなるからです。
例えば
「Google 流星」
などです。
もちろん、電子製品の分野で「Google コンピュータ」であれば、登録可能性は限りなくゼロです。
下記のページも参考にしてください。
「有名商標+何か」(結合商標)の登録可能性
関連ページ
商標法第4条第1項第11号|商標拒絶理由対応編|商標の教科書
識別力がない(記述的商標 商標法3条1項3号、6号、4条1項16号)という拒絶理由への反論例:生化粧品、ももいろ等
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