ロゴ商標:記述的商標(識別力のない商標):識別力がないのでロゴ化(rogo)してくださいとは言われたものの?
植村 貴昭 この内容を書いた専門家 元審査官・弁理士 行政書士(取次資格有) 登録支援機関代表 有料職業紹介許可有 |
ロゴ商標:記述的商標(識別力のない商標):識別力がないのでロゴ化(rogo)してくださいとは言われたものの?
ここでは、記述的商標(識別力がない)のロゴ商標について記載しております。
より具体的には、このページは、識別力がない(=用途や品質を普通に表している)ので、
このままでは登録の可能性が低い(5~30%)ぐらいとかの場合に、
ロゴ化すれば可能ですので、ロゴ化してくださいと、言われた方向けに書いております。
ちょっと待って、識別力がないとは?
識別力がない、記述的商標って何言っているのかわからない?
という方に、ざっくり説明すると、その商品やサービスを提供したい人は、だれでもその言葉って使いたいでしょ?
という商標です。
例えば、
安い、効果抜群、高品質、とか
その商品サービスの効果・効能・用途・提供方法・技法・販売方法・販売地・生産地・原料名・原料の生産地などです。
下記のページも参考にしてください。
識別力がない(記述的商標)とはどういうことか?商標法第3条第1項各号(特に商標法第3条第1項第3号について)
記述的商標(識別力のない商標):標準文字を参照ください。
ロゴ化しない方法も
識別力については、正直、審査官の主観です。
確率が低いものが必ずしも通らないわけではないです。
ただ、弊所は確率が低いので大丈夫ですか?
とアドバイスさせていただいているだけなのです。
もちろん、お客様が、それでもいいからチャレンジしてほしいと、言っていただければ、
チャレンジいたします。
1 文字よりは取得しやすい!
記述的商標であっても、ロゴであれば、取得は基本的に容易です。
なぜならば、権利範囲が狭い(価値が低い)からです。
ロゴ化度が高いほど、取得が容易です。
逆に、標準文字と変わらないような、普通の書体(明朝体、ゴシック体等)で、
単に横書きしただけなどは、
標準文字とほぼ同じ状況になり取得が困難です。
例えば、化粧品に「美白」(=化粧品では色白にするということでみんな使いたい)などの場合に、
弊所から識別力がないと言われたから
としても登録は難しいです。
アンダーラインを引いただけ
イタリック体にしただけ
特殊な書体をコンピュータ上で選んだだけ(行書体、ポップ体)
では難しいです。
ただ、上記の例では
私の感覚では、右に行くほど、登録可能性は高くなっていると思います。
ただ、最大でも取得可能性は、20%ぐらいしかないと思います。
2 文字よりは取得しやすい!
ただ、文字部分は、権利範囲とならず、
文字以外の部分が重要視されて判断されることになります。
文字の色・書体や、図形があれば図形部分、
絵などがあればその絵、段組みの表記、等が重要視されて判断されます。
上記の判断となっているのは曹った理由です。
右に行けば行くほど、いろいろ普通じゃないところもあるかなといえます。
3 判例から検討
ロゴで出せばいいかというと、そうではないです。
これに関しては、「ほっとレモン」判決があります。
上記レベルでは、ロゴ化の程度が低く、品質を「普通にあらわす」程度であるとして、
登録できなかったという例があります。
正直微妙なところがあります。
取らせてもいいのではないかと思います。
事実、一度は特許庁も登録しています。
私の感覚ではこのレベルなら登録してもよいし、登録されている例はたくさんあります。
(本件は異議申立の結果、不登録になっております。)
4 ではどの程度ロゴ化すればいいのか?
正直、下の例ほどロゴ化していただければ、登録できる可能性は、
極めて高くなります。
5 「これならどうでしょうか?」の判断
どこまでをもって、登録できるかは、
実は、大変難しいです。
お客様のなかで、ロゴを提示していただき、どうですか?
と聞かれる方がいます。
もちろん、弊所はプロなのでたくさんの登録例を知っていますし、
弊所自身もぎりぎりのものをとってきたという実績はあります。
そのため、登録の可能性が高い低いとのアドバイスは、もちろんできます。
しかし、何をもって識別力がないかの判断は、グレーの部分が多く、
かつ、審査官の主観に大きく依存します。
審査官によって、まったく異なる判断がされることも極めて多いです。
そのため、確定的に大丈夫です、ダメですとは言えないこと、
なにとぞ、ご理解いただきたいです。
6 ロゴを取れればいいのか?
このようなロゴをとった場合に、どうなるのかについて、説明させていただきます。
このようなロゴをとっても、残念ながら、普通に「美白」を使っている相手に対しては、
権利行使をすることはできない可能性は高いです。
取れたのは、美白という言葉だけではなく、
それに加えて、一定の絵や色、フォント、配置なども含めたものについて、取れたのに過ぎないからです。
7 とっても意味がないのじゃないのか?
以上のように書いてしまうと、じゃあ取る意味ないからとらないとなるかもしれません。
それも、経営判断だと思います。
しかし、それでもとっておいた方がいいのではないかとの理由を説明させていただきます。
理由1:威嚇効果はある
まず、上記の「6 ロゴを取れればいいのか?」で書いた結論は、
裁判を経たときに最終的な結論にすぎないということです。
例えば異なるロゴで「美白」を使っている相手に
警告書などを送ることはできます。
最終的に、訴訟で勝訴はしなくても、ビビらせることはできるのです。
その段階でやめるところは出るかもしれませんし。
それどころか、相手が商標を選ぶ際に、美白という言葉自体を使わないように、
前もって逃げて行ってくれるかもしれません。
理由2:後願排除効果もある
第三者が同じように「美白」を取得したい際に、
必ずでは、ないですが、排除してくれる可能性もあります。
理由3:海賊版・類似品がでたときにこまる
商標権がなければ、海賊版や類似品が出たときに対応の幅が限られてしまいます。
結論
以上の理由から、確かに、ロゴでは効果は、
理想とするその言葉を完全に独占するというところから考えると
効果が薄いですが、
一定の保護は得られます。
理想とするその言葉を完全に独占するということは、
このような識別力がない(少ない)場合には、本来的に不可能なことからすると、
上記の効果で満足できる高価なのではないでしょうか。
その点から、弊所は、ロゴであっても、取得をお勧めします。
6 弊所の記述的商標の取得例
弊所で取得された、記述的商標(識別力のない商標)をご参照ください。
(このページは、見つけたときに順次登録していく予定です)
7 登録例(一例です)
弊所以外で、取得された記述的商標の例をご参照ください。
(このページは、見つけたときに順次登録していく予定です)
一般的な、拒絶対応のページはこちらです。
8 関連ページ
商標調査の結果、識別力がないので登録できない可能性がある方へのアドバイス
商標調査の結果に類似した先願の商標があるとなった方へのアドバイス
商標の拒絶理由通知対応の仕方
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